2019.11.17
学会報告
こんにちは、院長の西村です。
約1週間、アメリカ獣医眼科学会(ACVO)に参加してまいりました!
留守中受診いただいた患者様には大変ご迷惑をおかけ致しました。
お陰様で大変有意義な時間を過ごさせていただきました。
今回は50周年大会ということでハワイのマウイ島にて行われました。
私は眼科診療項目の中では「角膜」が一番好きでして、角膜は厚さ5mm程度の透明な組織なのですが、その透明さを保つために様々な機能が備わっています。
中でも一番内側に位置する角膜内皮は角膜内に水分が入ってこないように水を押し出すポンプ機能が備わっています。
この内皮は損傷すると再生しにくい組織で、内皮細胞の数が一定数を下回るとポンプ機能が働かず角膜内に水分が流入します。(お風呂に長時間入ると指の先がシワシワになる感じと同じです)
角膜は水分を極力少なくすることで細胞がきれいに配列し透明性を保っていますので、水分が入ることによって細胞の配列が乱れ角膜浮腫が生じます。浮腫が生じ細胞の配列が乱れると、光がまっすぐ通過できなくなるため角膜が白く濁ってしまいます。
先ほど説明したように角膜内皮は再生力の乏しい組織ですので、一度白く濁った角膜を元の透明な状態に戻すことはほぼ不可能で、進行すると角膜全域が真っ白な状態になってしまいます。
進行を抑制するため現在内科的、外科的な治療が行われていますが、進行を完全に止めることは出来ないのが現状で、眼科医も治療に苦慮しております。
そんな中、本学会の角膜セッションのテーマに角膜内皮移植がありました。角膜内皮移植はヒトではよく耳にするようになってきましたが、動物ではドナーや設備、技術、費用の問題でなかなか実施できる施設はこれまでなかったと思います。
今回アメリカでの発表を見て、まだまだ簡単に行える状況ではなさそうですが、将来的に内皮移植などを行えるようになれば透明な瞳を取り戻せる動物も増えるのではないかと期待しております!
余談ですが、、ハワイにてこんなものを見かけました。どこかで見かけたことあるなと思っていたら、
今治にありましたね!
今年の夏は天気の良い日が多く、こんな感じだったので一瞬、今治にいる雰囲気でした笑。
ではでは、臨時休診のお知らせばかりにならないよう、またいろいろ情報をアップしていきますので定期的にご覧いただければと思います!