2022.04.11
ブログ
動物看護師の新居です。
4月にはいり、暖かい季節になってきましたが、朝方や夜はまだまだ肌寒いですね。
季節の変わり目ということもあり、体調不良の子が来院することが多くなってきました。
今一度、わんちゃん、ねこちゃんの様子をよく観察して頂き、何か少しでも様子がおかしいと思われたらご相談いただけたらと思います。
さて、前回猫のワクチンについてお話しをさせていただきました。
今回は、わんちゃんのワクチンで予防できる感染症についてお話ししていきたいと思います。
〇犬ジステンパー
感染すると、高熱、目ヤニ、鼻水、嘔吐下痢を起こします。
病気が進むと神経系が侵され、麻痺などの後遺症が残る場合があります。
死亡率の高い感染症です。
〇犬パルボウイルス感染症
感染した犬の便や嘔吐物によって感染します。
激しい嘔吐下痢を起こし、食欲低下や急激に衰弱します。
重症になると、脱水症状になり、短時間で亡くなることがあります。(死亡率の高い病気です。)
〇犬伝染性肝炎
「犬アデノウイルスI型」の感染によっておこる伝染病です。
感染すると、発熱、腹痛、嘔吐下痢がみられます。
生後1年未満の子犬が感染すると、症状を示すことなく突然死することがあります。
〇犬伝染性喉頭気管炎
「犬アデノウイルスII型」の感染によっておこる伝染病です。
くしゃみや咳などの風邪の症状がでてきます。
犬アデノウイルスⅠ型(犬伝染性肝炎)よりも軽症で、致死率は低いです。
〇犬パラインフルエンザウイルス感染症
別名「ケンネルコフ」とも呼ばれてます。
鼻水や咳、発熱などの風邪のような症状がでます。
単独での感染では致死率は高くありませんが、他の感染症との複合感染で症状が重くなることがあります。
〇犬コロナウイルス感染症
感染した犬の便を舐めたりすることで感染します。
成犬の場合、軽度の胃腸炎ですむことが多いですが、他の感染症との複合感染で重篤になることがあります。
子犬の場合は、嘔吐と重度の水様性下痢を引き起こします。
〇犬レプトスピラ症
「レプトスピラ」という細菌に感染することで、発症します。
レプトスピラに感染しているネズミなどの野生動物の尿や、その尿から汚染された水や土を介して皮膚や口から感染することが分かってます。
感染すると、発熱や嘔吐、脱水、出血などを引き起こします。重症化すると亡くなることもあります。
レプトスピラには、いくつかの型があります。カニコーラ型、イクテロヘモラジー型、グリッポチフォーサ型、ポモナ型をワクチンで予防できます。
レプトスピラ症は、人獣共通感染症といい犬だけではなく人にも感染することがあります。
当院では「6種」「7種」「10種」を取り扱っています。
「6種」では、犬ジステンパー、犬パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎、犬伝染性喉頭気管炎、犬パラインフルエンザウイルス感染症、犬コロナウイルス感染症の予防ができます。
「7種」では、犬ジステンパー、犬パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎、犬伝染性喉頭気管炎、犬パラインフルエンザウイルス感染症、レプトスピラ・カニコーラ、レプトスピラ・イクテロヘモラジーを予防できます。
「10種」では、「6種」+レプトスピラ・カニコーラ、レプトスピラ・イクテロヘモラジー、レプトスピラ・グリッポチフォーサ、レプトスピラ・ポモナを予防できます。
ワクチンの事で、気になる点があればご相談いただければと思います。